「お前が欲しい」
 気持ちを伝えるのなら面と向かって思っていることを口にするのが一番だと思った。応えてくれるかは分からない。だが、断られることを恐れて伝えないことの方が俺の性分に合わないと思った。すっきりしない。だから、今思うことを言った。
「アイク……うん、良いよ。すごく嬉しい、アイク」
 泣きそうな、それでいて嬉しさ溢れる面に、俺は内心ホッとした。込み上がる熱が抑えきれず、彼女の頬にそっと触れる。
「ア、イク……?」
「どうした……?」
「あ、うん、えと……え?」
 戸惑いを見せる彼女が俺から半歩身を引く。
「また傭兵団の一員として、私を欲しいって言ってくれたんだよ、ね……?」
「違う……俺が今言ったことはこういうことだ」
 もう半歩身を引こうとする彼女の腕を捕え、俺へと引き寄せる。頬に触れたままの手を彼女の首後ろへ回し支えると、俺は慌て赫らむ彼女の唇へと吸い付いた。
「もう一度言う。俺は今、お前が欲しくて堪らない」