目を閉じるだけで、頬に触れ抱き合った感触が蘇る。けれど、一度目を開き見れば、そこには君は居ない。残されたのは、金糸の張られた聖弓と、腹部に波打つ鼓動のみ。
「ファバル……あたしが守るから、見ててね」
温かい新たな命をそっと撫でながら、俯きそうになる面を懸命に上げ、歩んだ。
(20161107 - 20221106)
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