レイニー・サニー


「君は雨とお友達なんだろうな」
「じゃあ、あなたは太陽とお友達なのね」

 濡れてしまうのではないかと、傘も持たずに買い出しに出掛けていたルビアを案じたエドガーは傘を手に宿先を出た。だが、出た途端に太陽は眩しさを地に落とし、買い物袋をぎゅっと胸元に抱え雨から守り帰ってきたルビアが目前に立っていた。矢先につい口から出た言葉は何とも優しさの欠片もないものだった。
 それもその筈。考えも無しに思ったままを口にすれば、ルビアは赤面せずにはいられないであろう。それ程に彼女は今、恥ずかしい身形になっていた。
 そっとマントを広げ包むように近付くと、ルビアの面がつと上がる。額を雨に濡らし、湿った髪は顔のラインに添って頬から顎、鎖骨へと張り付く。陽の光が照る唇が小さくぽかんと開けられており、エドガーの眼が暫し細められた。

「エドガー……?」
「いや、何でもない。それより、このままでは風邪を引いてしまうだろう」

 夜の月明かりの下であれば人目を気にすることも無く食らいついていたであろう。真っ直ぐと見上げるルビアの視線から逃れるため、エドガーは宿の中へと彼女を丁寧にエスコートした。