あらすじ



プロローグ
 特務機関ヴァイス・ブレイヴはヴェロニカ皇女率いるエンブラ帝国と戦っていた。不毛な戦に終止符を打つ為に、アスク王国の王子アルフォンスは懸命にもヴェロニカに戦いを止めるよう呼び掛ける。だが、彼の呼び掛けも虚しく、戦は激しくなるばかりだった。
 戦いの最中、突如として空間に裂け目が現れた。裂け目の近くに居た、ニフル王国の王女フィヨルム、アリティア王国のマルス、ヴェロニカが次々に裂け目へと吸い込まれ、アルフォンスもまたその裂け目の力に抗うこと敵わず吸い込まれてしまうのだった。

1話 王子と皇女
 アルフォンスが目覚めると、見知らぬ景色が目に入る。誰かを追い立てる声を聞き、アルフォンスは追われている人物――ヴェロニカを見付けた。戦場で見るヴェロニカとは違う様子に放ってはおけず、ディアネル帝国と名乗る兵士から彼女を救い、二人は身を隠す為に森の中へと逃げた。初めて聞く国の名に、未知の異界であることをアルフォンスは察する。追われる理由も己の名も分からず逃げていたヴェロニカを前にして見捨てることが出来ないでいたアルフォンスは、アスクとエンブラという表裏一体の縁を理由にヴェロニカを守ると約束する。だが、ヴェロニカを追う新たな敵がアルフォンス達の行く手を阻むのだった。

2話 交差する王子
 後から必ず追いつくと約束し、アルフォンスはヴェロニカを逃がした。取り囲まれてしまったアルフォンスにリーダーと思われる者が投降を促す。だが、ヴェロニカとの約束を守る為にアルフォンスは活路を探りながらも斬り掛かった。
 突如、フィヨルムの声が制止に入る。アルフォンスが戦っていた相手はアルベリア王国の王子ユーディルであり、本来ならば戦う理由は無い。ユーディル達は最近になってディアネル帝国に新たな指揮官が加わったことを知り、それがヴェロニカの姿であったことからヴェロニカを捕まえようとしたのだ。だが、その指揮官はヴェロニカの姿をしたロキであることが判明する。互いの誤解を解いたアルフォンスとユーディルは手を取り合い、ヴェロニカの後を追うのだった。

3話 妖艶のいざない
 アルフォンスを待つヴェロニカは、逃れた町でマルスに出会う。マルスは普段の様子と違うヴェロニカに戸惑いながらも、ヴェロニカがアルフォンスと再び出会うことを約束したと聞き、ヴェロニカと共にアルフォンスの訪れを待つことにした。だが、ディアネル帝国を率いるロキがヴェロニカとマルスの前に現れる。ヴェロニカをディアネル帝国に招こうとするロキに対し、記憶喪失でありながらもヴェロニカは疑心を露わにする。ロキはヴェロニカが誘いに応じれば、ヴェロニカは自身の記憶と力を取り戻し、囚われの身となってしまったアルフォンスを助け出せると甘言を弄する。抵抗すれば町を襲うとも脅され、マルスはヴェロニカを守る為に立ち上がるが、ヴェロニカはロキについて行くことで不要な諍いを終わらせることにした。
 暫くして、アルフォンスはマルスと再会する。ヴェロニカを引き留められなかったことを悔やむマルスはアルフォンスと共にヴェロニカを捜すのだった。

4話 呼び覚まされし力
 ヴェロニカが誘われた場所はディアネル帝国の砦だった。帝国の将の一人であるハールに会い、記憶を取り戻す為の黒いマナを与えられ、力を解放する。だが、その黒いマナはヴェロニカの身体に眠る更なる力をも解放してしまう。
 ヴェロニカを追うアルフォンス達はディアネル帝国の砦にたどり着く。ヴェロニカに駆け寄るも、黒いマナに囚われたヴェロニカの力がアルフォンスを襲う。黒いマナから解放する術はただ一つ。黒いマナの力を使い果たさせることだった。アルフォンス達はヴェロニカを救う為、迎え撃つのだった。

5話 いまだけはその手をとって
 アルフォンス達との戦いで黒いマナから解放されたヴェロニカは、記憶を取り戻す。不快な思いをしたヴェロニカはロキへと攻撃するも逃げられてしまう。マルスが守っていた町がディアネル帝国の兵士達に襲われていることを知り、アルフォンス達はヴェロニカと共に町へと戻るのだった。
 元居た世界では、アルフォンスとヴェロニカは表と裏の存在であり、近しい存在である。だが、この世界にはアスクとエンブラは無い。敵ではないのだと、仲良くしたいのだと、記憶喪失であったヴェロニカに言ったアルフォンスの言葉を、ヴェロニカは心の中で思い返していた。

6話 招かれざる扉
 町を助けてから暫くの時が経った。その間、アルフォンス達はユーディルの城を拠点に元居た世界へ帰る術を探していた。
 近くの村が異界の裂け目から出る魔獣に襲われていることを知り、アルフォンスはユーディル達と共に助けに向かった。そこでは異界の裂け目が至るところで現れ、瞬時に閉じるという異変を目の当たりにする。突如現れたロキに、異界の裂け目の異常はアルフォンスの『開く力』とヴェロニカの『閉ざす力』がぶつかり合うせいだと教えられる。世界の異常を招いたのは開く力のせいだと分かり、アルフォンスは愕然とした。どちらかの力を無くせば世界が救われると仄めかされたアルフォンスはヴェロニカと殺し合うことを選ばざるを得ない状況に苦渋の表情を浮かべる。そんなアルフォンスを前に、ユーディルが千年前の伝説をふと思い出す。
 人間とドラゴンが争う千年前の時代。ドラゴンの力に対抗すべく、人間は『異界への門』より魔神を呼び出した。その後に魔神は封印されたが、300年程前にディアネル帝国が魔神の封印を解こうと異界への門を研究していたのだ。

7話 世界の絆を
 今は廃墟と化したディアネル帝国の研究所にて、アルフォンス達は散らばる資料を搔き集め異界への門の情報を探し出した。古い遺跡の奥に異界への門が存在することを知ったアルフォンス達は、その遺跡へと向かう。
 遺跡の最奥で見付けた扉の残骸から、アルフォンスは開く力を感じ取った。だが、機を見たディアネル帝国軍が遺跡に押し寄せてきた。再び姿を現したロキを前に、アルフォンス達は扉と仲間達との絆を守る為、帝国軍に立ち向かうのだった。

エピローグ つながる世界
 帝国軍を撃退したアルフォンス達は、遺跡の軋み上げる悲鳴にこの世界に居られる時間は残り僅かであることを知る。別れを惜しむ言葉を交わし、築き上げた友情を確かめ合いながら、フィヨルム、マルス、ヴェロニカは淡く光る開く力に包まれ異界へと旅立つ。アルフォンスはユーディル達との絆を信じ、再び会おうと誓い合い別れたのだった。